2017/04/24
消費者金融とは個人向けに無担保融資を行う金融機関のことで、貸金業者に分類されます。
一昔前までは「サラ金」や「街金」など呼ばれており、正直良いイメージを持っていないという方も多いのではないでしょうか。
中には闇金と一緒になって覚えてしまい、悪徳業者だと思っている人もいるでしょう。
しかし消費者金融は正しく活用すれば、生活を豊かにすることができる健全な融資です。
そこでこの記事では消費者金融とは何なのか、サラ金とはどう違うのか。また消費者金融と銀行のカードローンの違いなど解説していきます。
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消費者金融とは?
消費者金融とは貸金業者の中でも個人への無担保融資を主な業務としています。
貸金業法を基準にしており、国か都道府県から認可を受けていないかぎり営業することはできません。
無認可で営業している違法な業者のことを「闇金(ヤミ金)」と呼び、違法な条件で貸付を行うので絶対に利用してはいけません。
一方、正式な認可を受けている消費者金融では、法定金利がしっかり守られているので、しっかり返済すれば利息がどんどん膨らんでいくということはありません。
主な消費者金融業者一覧
アコム
金利 | 3.0%~18.0% |
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限度額 | 800万円 |
審査時間 | 最短30分 |
申し込み方法 |
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創立 | 1936年4月2日 |
貸金業者登録番号 | 関東財務(12)第00022号 |
資本金 | 638億3,252万円 |
SMBCコンシューマーファイナンス「プロミス」
金利 | 4.5%~17.8% |
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限度額 | 500万円 |
審査時間 | 最短30分 |
申し込み方法 |
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創立 | 1962年3月20日 |
貸金業者登録番号 | 関東財務(12)第00615号 |
資本金 | 1407億3,700万円 |
アイフル
金利 | 4.5%~18.0% |
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限度額 | 500万円 |
審査時間 | 最短30分 |
申し込み方法 |
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創立 | 1967年4月 |
貸金業者登録番号 | 近畿財務局長(11)第00218号 |
資本金 | 1434億5,400万円 |
シンキ「ノーローン」
金利 | 4.9%~18.0% |
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限度額 | 500万円 |
審査時間 | 最短30分 |
申し込み方法 |
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創立 | 1954年12月1日 |
貸金業者登録番号 | 近畿財務局長(11)第00218号 |
資本金 | 1億円 |
モビット
金利 | 3.0%~18.0% |
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限度額 | 800万円 |
審査時間 | 最短30分 |
申し込み方法 |
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創立 | 2000年5月17日 |
貸金業者登録番号 | 関東財務局長(11)第01239号 |
資本金 | 200億円 |
フタバ
金利 | 14.959%~17.950% |
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限度額 | 50万円 |
審査時間 | 最短30分 |
申し込み方法 |
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創立 | 1967年4月 |
貸金業者登録番号 | 東京都知事(2)第31502号 |
資本金 | – |
その他の中堅消費者金融
- ライフティ
- オリックス・クレジット
- ダイレクトワン
- ライフティ
- セントラル
- フクホー
- キャッシングアロー
消費者金融の歴史について
消費者金融の前身となる個人向けの無担保融資は、戦前である1920年代には行われていました。
日本昼夜銀行が25歳以上の既婚者を対象に小口融資を始め、そこから様々な銀行が異なる条件で個人向けの小口融資を行うようになったのです。
戦時中や戦後は一時的に個人向け融資は勢いを失くしましたが、戦後の復興とともに多くの金融機関が個人向け融資を行うようになりました。
中でも元々は呉服店であったアコムが、消費者金融専門の金融機関として創立され、自動契約機など斬新なサービスを始めてどんどん人気を伸ばしていきました。
1980年代からは「サラ金」という言葉が世間にも広まり、テレビやラジオのCMでもサラ金業者が登場することになりました。
しかしサラ金という言葉が広まると同時に、一部の業者による違法融資が社会問題となり、サラ金のイメージはどんどん悪くなっていくことになったのです。
なぜ消費者金融のイメージは悪いの?
消費者金融のイメージが悪くなった背景としては、消費者金融の過剰貸付によって破産まで追い込まれる人が続出したことが大きな要因といえます。
貸金業法が改正される以前の消費者金融は、グレーゾーン金利(違法だが罰則のない金利)で貸付を行う業者が多く、審査も甘かったので消費者金融からの借金が原因で、破産に追い込まれる人が大量に続出しました。
また過剰な取り立てを行う業者も社会問題となり、90年代から2000年代にかけて一気に消費者金融=悪というイメージが定着するようになったのです。
しかし2006年には貸金業法も大きく改正(2010年に施行)され、業界全体でクリーンな印象を持たれるような取り組みが行われました。
たとえばそれまで世間では「サラ金」と呼ばれていましたが、テレビCMなどで消費者金融という呼び方を定着させ、正規の金融機関であることを強調しました。
ここ数年間のあいだに、大手消費者金融では積極的に無利息期間サービスを取り入れており、少し借りたからといって利息がどんどん膨らんでいくこともなくなりました。
その結果、ここ数年間は消費者金融業界も順調に貸付残高を伸ばしており、以前のように悪いイメージを持たれることも少なくなりました。
貸金業法の改正によって変わったこと
- 総量規制の導入
- グレーゾーン金利の撤廃
2006年の貸金業法で変わった大きな点は上記の2つです。
利用者にも大きく関わることなので、ここ数年の消費者金融の情報に疎いという方はぜひ知っておいてください。
総量規制とは?
総量規制とは貸金業法の中の総量規制で設けられている規制です。
年収の1/3を超える貸付が禁じられており、社会問題となっていた消費者金融の過剰貸付を制限するために作られました。
総量規制が導入されたことにより、ピーク時には150万人いた多重債務者の数は、2016年には1/10以下の12万人にまで減少しました。
しかし返済能力がある方でも総量規制が原因で融資を受けられなくなってしまい、k祭付け残高の減少、および消費者金融業界の衰退にも繋がりました。
なお総量規制についてはこちらの記事で詳しく解説しているので、気になる方はぜひ参考にしてください。
(総量規制の対象となるカードローンと対象外となるカードローンの違い)
総量規制によって融資を受けられない人たち
具体的に総量規制が導入されたことにより、融資を受けられなった人たちは以下の通りです。
- すでに年収の1/3近くの借金を抱えている方
- 無職の方(専業主婦含む)
- 年収の1/3を超える融資が必要な方
グレーゾーン金利とは
2006年に貸金業法が改正される以前は、法定金利を定める法律が二つありました。
「出資法」と「利息制限法」です。
出資法では法定金利の上限は29.2%と設けられており、これを超えると罰則が設けられていました。
利息制限法では法定金利の上限は20.0%と出資法より低めでしたが、違反した業者には特に罰則は設けられていませんでした。
そのため20.0%~29.2%は違法ではあるが罰則のないグレーゾーンの金利となり、多くの業者がこのグレーゾーン金利で貸付を行うようになったのです。
しかし2006年(2010年施行)に貸金業法が改正され、法定金利の上限は20.0%に統一され、違反した業者には罰則が設けられました。
また過去に行ったグレーゾーン金利での貸し付けに対して、過払い金の返還請求も認められるようになりました。
これにより消費者金融業界は多大な損失を出し、当時最大手の消費者金融であった武富士は倒産にまで追い込まれてしまいました。
このように貸金業法の改正によって、消費者金融業界は大きなダメージを負いながら、改革を進めていったのです。
消費者金融と闇金はどう違うの?
消費者金融は国や都道府県から認可を受けているので、貸金業法を遵守して正当な融資を行ってくれます。
しかし闇金はどこからも認可を受けておらず、貸金業法も守ることはありません。
そのため違法な金利で貸付を行い、違法なやり方で取り立ても行います。
一度闇金を利用してしまうと、支払えるはずのない利息を請求され、家族や友人にまで迷惑が及ぶことになるので、絶対に利用してはいけません。
最近ではネット上でやり取りを行う闇金も増えており、一見すると闇金に見えない「ソフト闇金」という新たな手口も増えてきています。
少しでも怪しいなと感じたら、貸金業協会に問い合わせて、相手が正規の貸金業者か確認するようにしましょう。
闇金を利用した人たちの実際の被害
闇金を利用した人たちは実際に以下のような被害にあいました。
- 5万円借りただけなのに、翌月には借金が50万円まで増えていた
- 家族・知人の元へも闇金業者が取り立てにきた
- 職場に連日嫌がらせの電話がかかってきた
- 住んでいるアパートに誹謗中傷が書かれた張り紙をされた
- 生命保険を掛けるように脅迫された
- 支払う意思を示さないかぎり部屋に監禁された
この他にも、闇金業者は相手が支払わないとみると、あらゆる手段で取り立てを行ってきます。
上記にあるような取り立ては貸金業法ではすべて違法とされていますが、闇金業者には関係ありません。
万が一闇金業者からお金を借りてしまった際には、警察や弁護士へ相談するようにしましょう。
消費者金融と銀行カードローンの違いは?
ここからは消費者金融と銀行カードローンの違いを解説していきます。
消費者金融と銀行カードローン、どちらを利用すべきか悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
銀行カードローンの方が低金利
消費者金融と比較した場合、銀行カードローンの方が低金利です。
消費者金融であれば年率4.5%~18.0%程度で融資を行っていますが、銀行カードローンであれば年率3.0%~14.0%と2~4%程度銀行カードローンの方が金利は低いです。
もちろん業者によって設定される金利は異なりますが、銀行カードローンの方が基本的に金利は低いと覚えておきましょう。
利息をなるべく安く抑えたいという方は銀行カードローンがおすすめです。
消費者金融の方が審査基準は甘い
消費者金融は金利が高いですが、その分審査基準が甘いというメリットがあります。
カードローンやキャッシングの審査は、金利が高くなればなるほど審査が甘くなる仕組みになっているからです。
そのため他社からの借り入れがある方など、審査に通るか不安という方は消費者金融を利用することをおすすめします。
また大手消費者金融よりも、中堅の消費者金融の方が審査基準は甘いので、多重債務者の方などにおすすめです。
カードローンの審査基準はこちらの記事でも解説しているので、審査基準が気になる方はぜひ参考にしてください。
消費者金融は総量規制の対象
先ほども解説しましたが、消費者金融は総量規制の対象となります。
しかし銀行カードローンは貸金業法ではなく、銀行法を基準としているので総量規制の対象外となります。
そのため返済能力さえ認められれば、年収の1/3を超える貸付も可能です。
年収の1/3を超える大口融資を考えている方、また収入のない専業主婦の方などは総量規制対象外の銀行カードローンがおすすめです。
最近では銀行の「消費者金融化」が社会問題に
最近では銀行カードローン業界の貸付残高が消費者金融を上回り、個人向け融資といえば銀行カードローンと言われる時代となりました。
確かに昔の消費者金融と比べて銀行は金利が低い分安全ですが、総量規制の対象外ということで高額融資を積極的に行っています。
2017年には多重債務者の数が数年ぶりに増えたという情報もあり、銀行カードローンの消費者金融化を危惧する声も上がっています。
2017年の2月からは金融庁からの指示もあり、銀行が自主的に融資を規制する動きもあります。
今後銀行カードローンでも何らかの規制が行わる可能性があるので注目する必要があるでしょう。